場合によっては100倍や1000倍にもなる可能性を秘めている
※この記事は投資を推奨しているものではありません。投資をする際はご自身の責任で!
暗号資産を触っているとよく草コイン、ミームコイン、魔界などという言葉を耳にすることがあります。
草コインとは、基本的にはアルトコイン全般を指していまして、いわゆるビットコイン以外はすべてアルトコインと呼ばれています。
そしてミームコインとは、インターネット上のパロディやユーモアに基づいて開発された仮想通貨のことを指しています。
代表的なミームコインとしてはドージコイン(DOGE)や柴犬(SHIB)、今年急騰したPEPE(PEPE)などがあります。
ドージコインは、数あるミームコインの中でも代表的な存在で、インターネット上の「doge」というミームに由来する仮想通貨で、柴犬のロゴが象徴的なコインです。イーロン・マスクなどの著名人やインフルエンサーの影響で価格が急上昇し人気になりました。
他にもFLOKI(FLOKI)など人気のミームコインが存在していて、コミュニティや楽しさといった価値を重視する人たちの間で非常に人気なのですが、コイン、トークン自体に中身がないものがほとんどで、詐欺的なプロジェクトやトークンも多数存在します。
価格のボラティリティが激しいために、一夜にして急騰し10倍、20倍になったり、その逆で価値が1/10以下になったりします。
またラグプルと言って、価格が高騰したのちに運営が保有するトークンをすべて売り払い(大量の売りが入ると価格は暴落します)、そのまま逃げてしまい儲けたのは運営だけで投資家はみな損をするということも起こります。このラグプルとは絨毯(ラグ)を人が乗った状態でプル(引っ張る)ことからつけられたものです。
そして暗号資産市場で、この草コイン、ミームコインたちの市場のことを魔界といっています。この魔界に巣食う草コインたち。一夜にして夢を叶えることもできるし、破産に追い込まれることもあるかもしれない、詐欺に騙されるかもしれない。そんな危険を冒しつつも、一攫千金を狙う人たちに人気なのが、この魔界、そして草コインたちなのです。
そんな魔界を探検するにあたり、最低限の知識と道具が必要になります。
次はどんなことに気をつけたらいいのかをみていきましょう。
魔界の歩き方
魔界の魅力はなんといっても爆益が狙えることです。よく億り人なんて言葉がありますが、保有してたトークンが10倍、100倍になることもあります。今年も4月にPEPE(PEPE)が、一時約7000%も暴騰し、億り人がたくさん生まれたことで話題になりました
PEPEはカエルのキャラクター「PEPE the frog」をアイコンにしたトークンで、4月の登場以降わずか17日間で何と7000%近くも価格が急騰して、時価総額が18億ドルに膨らみました。
このタイミングで、約500ドル(約7万3〜4千円)程度しかPEPEを保有してなかった人が、わずか1週間程度で600万ドル(約8.9億)の価値になり、億り人になった人がTwitter(現X)で話題になりました。
この手の話がたくさんあるのが魔界の魅力なのです。
ただし、その逆もしかり。
一夜にして価格がほぼゼロになる例もたくさん見受けられます。先ほど説明したラグプルという運営が資金と共にいなくなることでトークンの価値が一夜にしてゼロに近づき、投資をしていた人に損害を与えることも多々あります。
(ラグプルにもいくつか種類や手法がありますが、ここでは割愛します)
そんな詐欺やラグプルに遭わないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。
100%安心安全はありませんが、事前にリサーチすることでリスクを回避できる可能性がかなり高くなります。
自分で必ずリサーチすることをクリプト業界ではよくDYORといわれていますが、Do Your Own Research(自分で調べろ)が基本原則になります。
プロジェクトの運営者は誰なのか、どういった目的で発行されたトークン・コインなのか、WebsiteやSNSをチェックし、きちんと運営されているのか、どのような取引所で取引されているのか、可能であればコントラクトなどもチェックします。基本的に、草コイン、ミームコインはDEXで取引されます。
いわゆる広告などでも目にするbitflyerやCoincheckやDMM bitcoinなどの暗号資産取引所はCEX(Centrarized Exchange)と言われていて中央集権型取引所と言われています。いわゆる管理者となる主体がいる取引所です。こちらで上場している取引可能なコイン・トークンは審査があり、特に日本国内で上場しているトークン・コインに関しては厳格な審査を通過したものが大多数となっています。
草コイン・ミームコインは、気軽に取引できるDEX(Decentralized Exchange)というところに上場していることがほとんどです。DEXの代表格としてはUniswap、dYdX、Pancakeswapなどがあります。魔界探索をする人は好んでPancakeswapを使う人が多いです。
※画像はクリックでリンク先へ飛びます
DEXとCEXの違いなどはまた機会をみて書きたいと思います。
以下6点は、気をつけた方がいいポイントになります。
魔界の心得
🔸プロジェクトの運営者や開発者が不明の場合
投資をするにあたり、必ず事前にそのプロジェクトの運営者や背後にいる人物を確認する必要があります。
例えば、
・プロジェクトのCEOやコミュニティメンバーはどのような人たちか
・業界で知られているか
・SNSアカウントはあるか
・そのSNSアカウントのフォロワーに有名な人や身元がしっかりした人はいるか
・過去の実績はあるか
・プロジェクトのWebsiteはきちんとしているか
・プロジェクトのWhitePaperはどのような内容なのか
・可能であればコントラクトもチェックし、White Paperとの矛盾はないか
匿名性がメリットでもあったクリプト業界ではありますが、詐欺の横行や、各国の法整備や規制などの影響でだんだんと顔出しや実名での運用プロジェクトが増えてきていると思います。SNSなどは簡単に改ざんやなりすましもできるので、より多角的に検証することが必要になってきます。投資は自己責任です。自分でできることは自分で調べてみましょう。
🔸流動性がロックされていない
詐欺プロジェクトの詐欺コインときちんとしたプロジェクトのコインかを区別する簡単な方法の1つは、通貨が流動性ロックされているかを確認することです。
トークンの供給に対する流動性のロックが設定されているかどうかは本当に重要で、ロックが設定されていない場合はプロジェクト側がトークンの流動性全体を持ち逃げすることを止めれません。
プロジェクトにとって流動性とボリューム、そして価格が上がった場合、タイミングとしては売り抜いたり流動性を抜く絶好のタイミングになります。
このロックに関してはスマートコントラクトによって設定されていることがほとんどで、たまにスマートコントラクト上には何も設定されていないのに、WhitePaperにはロック期間が書かれている場合などもあります。この場合、WhitePaperだけを読んで安心をすると、実際にはロックが設定されてない場合もありますので注意が必要です。
このロック期間は通常2〜5年程度のプロジェクトが多い印象です。
このロックの有無を調べるにはMOONARCHなどのサービスを利用してロック状況を確認し、さらに可能であればtelegramなどのSNS上でコミュニティスタッフに直接質問して矛盾がないかをチェックしてもいいでしょう。有料のサービスもありますが、まずはMOONARCHで十分なはずです。
🔸売り注文に対する期間や量の制限がある
悪意のあるプロジェクトでは、トークンの売却に対して制限をかけている場合があります。この場合は詐欺の可能性が非常に高くなると思っていいでしょう。実際にはコードが埋め込まれていてわかりにくくなっていることがありますので、なかなか気がつかなのですが、この場合は、自分のお財布と相談した上で最小単位の購入可能額を購入し、売却してみるといいと思います。ここで制限がある場合は、詐欺の可能性が高いと判断できます。
🔸一部の大量トークン保有者による価格高騰が引き起こされた場合
新しいトークンの価格が急に高騰した場合、この波に乗らないと!とどうしても思いがちです。ただ急激な価格の高騰はその後の暴落を意味します。特にさきほどのトークンロックがない場合はこの可能性が顕著になります。
これをチェックするにはブロックエクスプローラーを使って、トークンのホルダー数を確認します。保有者数が少ない場合は価格操作がしやすくなりますし、大量にトークンを保有している人がトークンを売ることで、逆に価格が大きく下がり損害を被る可能性があることを意味します。
一部の大量保有者(プロジェクト関係者や関係者に非常に近い人物が多い)やクリプトKOL(インフルエンサー)などがポジション放棄することで、
一気に価格が下がる可能性があることを頭に入れておきましょう。
🔸非常に魅力的なリターン
トークンを購入し、預け入れるとリータンが得られるというサービスが存在します。いわゆる一定期間預入をし、その利回りが非常に高い場合なども、ポンジスキームの可能性があります。たまに年間利回り100%以上のものも見かけます。必ずしも詐欺とは言えませんが、それなりにリスクがあると思った方がいいでしょう。美味しい話には裏があるものです。
🔸外部監査なしのトークン
トークンの安全性を証明するために、プロジェクト運営側としては外部の監査を受けることが一般的になっています。監査を受けていないトークンは第三者としてのチェックが行われていないことを示しています。かと言って、監査されたものを100%信用するのも危険です。この監査で有名なところでは、Certikなどがあります。
Certikではトークンの安全性をスコアで表示していますが、正直疑わしいプロジェクトもそれなりに評価されていることもありますので、注意が必要です。
以上のポイントはぜひ魔界探索の前にチェックしてみてください。
まとめ
2021年には、仮想通貨の詐欺で推定77億ドルが投資家から盗まれたとされています。魔界にて自分を守るのは自分自身です。冒険に出かける前に適切な準備とリサーチ、道具を使いこなして歩きましょう。