最近クリプト関連ニュースでもよく目にするBitcoin ETFとは何なのかを取り上げたいと思います。
Bitcoin ETFは、ETFとして伝統的な取引所で提供されるBitcoinの値動きに連動したETFです。これにより、従来の投資家は実際にBTCを所有することなく、Bitcoinにアクセスできるようになります。
そもそもETFってなんなの?という方もいると思いますので、ETFとは何か、そしてそれがBitcoinにとってどのような意味を持つのかを説明していきます。
はじめに
Satoshi Nakamotoが2008年11月1日にmetzdowd.com 内でBitcoinについての論文を発表してから、はや15年以上が経ちました。EthereumをはじめとしたさまざまなL1チェーンも誕生しましたし、仮想通貨バブルと呼ばれているブルマーケットも幾度となく過ぎ去りました。
しかし、一般的にはいまだに暗号資産にはネガティブな印象があり、投資対象としても浸透していません。(ボラティリティや詐欺案件の多さなどさまざまな問題はありますが、ここでは割愛します)
なぜBitcoinが未だにグローバルなマクロ経済における主要な資産になっていないのでしょうか。その理由の1つは、規制の枠組みでありこれがクリアされるといわゆる暗号資産投資家以外の投資家の参入が増えることになります。そのためには現在はETFが一番の近道とされているのです。
ETFとは何?
ETFとはExchange-Traded Fund (上場投資信託) の略称で、原資産の価格をトラッキングする投資ファンドを意味します。ETFの対象は食品、エネルギー資源、建材、医薬品、自動車、電力・ガスなどさまざまな業界にわたっています。例えば、金に関してもETFは存在していて投資対象になっています。
似ているものとしては投資信託があります。純資産価値(NAV)が各取引日の終わりに一度だけ計算され、1日1回しか取引できない投資信託とは違い、ETFは金融商品取引所の取引時間内であれば、株式と同様に相場の動きを見ながら売り買いができるものになります。ETFの基準価額は取引時間内に何度も計算され、市場成行価格で取引できます。このため投資信託に比べより大きな流動性と柔軟性を得ることができます。さらに投資信託ではできない信用取引ができるので、空売りや信用買いなどの戦略的な取引がよりしやすくなります。
Bitcoin ETFは、Bitcoinの価格に連動された資産で構成されるETFです。ETFは規制された金融商品であるため、Bitcoinや他の暗号資産ETFは、暗号資産の取引所ではなく、ナスダックやニューヨーク証券取引所 (NYSE) などの従来のマーケットで取引されることになります。
Bitcoin ETFとは何?
Bitcoin ETFは、暗号資産投資の発展の中で誕生しました。Bitcoin ETF(上場投資信託)は、実際に直接Bitcoinを所有または管理することなく、Bitcoinの値動きで取引を実現するものです。
Bitcoin ETFは、Bitcoin価格に関連する契約を保有し、企業の株式のように従来の証券取引所で取引するものです。現在、暗号資産市場が発展するにつれ、Bitcoin現物ETFとBitcoin先物ETFの2つのタイプのBitcoin ETFへの関心が高まっています。
Bitcoin ETFが話題なわけは?
なぜ最近Bitcoin ETFの認可について話題になっているのかというと、BitcoinのETFが普及することで、従来の暗号資産の取引に参加していない一般の投資家を呼び込み、Bitcoinへのアクセスを提供することが可能になります。それによりbitcoinETFへの投資がいわゆる規制枠内での投資対象として考えられることで、Bitcoinがより一般的な投資対象としての信頼性が増し、また既存の株式投資家にとっては慣れ親しんだ手法でもあるため、よりわかりやすい投資対象になりえます。
これは今後の暗号資産、クリプト業界が発展し拡大していく過程においては、非常に有益かつ重要な出来事になるはずです。
Bitcoin ETFのメリット・デメリット
メリット
◾️従来の投資手法で行うため信頼感が上がる
◾️クリプト投資家以外の一般株式投資家も参入しやすくなり暗号資産投資への裾野が広がる期待
◾️自分でBitcoinを購入、管理しないのでセキュリティやウォレット管理などから解放される
◾️ポートフォリオが多様化することでのリスク軽減がある
◾️節税効果がある(かも)
デメリット
・Bitcoinのボラティリティの高さに影響を受ける
・手数料や管理費用のためBitcoinの価格と完全一致しない
BitcoinETF(特に現物)への投資には、いくつかのメリットがあります。暗号資産を直接取引所で購入・管理する必要がないため、秘密鍵の管理、ウォレットの管理などのセキュリティリスクが軽減されます。これはScamプロジェクトのリンクを踏んでしまった経験のある方からすると非常にメリットがあります。また秘密鍵がわからなくなってセルフゴックスすることもなくなります。
そしてこれらのETFは従来の証券取引所で取引されるため、Bitcoinを規制の枠組みに取り込むことになり、より多くの人々にとっての信頼基盤となる可能性があります。
さらにBitcoinETFへの投資が株式取引の従来の環境で行われるようになるため、暗号資産投資家以外の投資家にとってより分かりやすいものになり得ます。そして法律できちんと規制された取引所で取引することにより、投資家に既存の株式ポートフォリオを多様化する機会を提供します。
そして節税効果がある(かも)しれません。
日本国内では、暗号資産での儲けは雑所得になるために、投資での儲けとしてみなされません。通常の所得税と住民税での課税対象となります。年収4000万円以上の人個人は最大55%の課税を受けます。なんでやねん。
一方で株式投資やFXなどの投資では、儲けに対して税率は20%が上限と定められています。Bitcoin ETFの普及によって、暗号資産ETFは投資としての課税対象になる可能性が高いです。
デメリット
・Bitcoinのボラティリティの高さに影響を受ける
・手数料や管理費用のためBitcoinの価格と完全一致しない
Bitcoin ETFにもいい面だけでなく、もちろんリスクは存在します。Bitcoin現物ETFの価値は、ボラティリティの高いBitcoinの価格に連動します。さらに、手数料や管理上の問題により、ETFが必ずしもBitcoinのパフォーマンスと一致するとは限りません。
ETFはBitcoinを従来の金融や規制当局の管理方法で取引できるようになりますが、依然として暗号資産市場は予測不可能なためBitcoinのボラティリティの高さは投資家にとってはリスクでもあります。さらにETFは追加手数料が取られるので、直接暗号資産を購入し管理するよりも取引コストは高くなります。ETFの手数料は2.5%前後にもなる可能性もあり、直接Bitcoinを保有するよりも割高になります。
Bitcoin ETFを申請している機関
現時点でBlackRock、Invesco、Ark Invest、Fidelity、Greyscaleなどの多くの金融機関がBitcoin現物ETFを申請しています。承認されれば、今後、分散型のBitcoin ETFが増える可能性があります。
まとめ
Bitcoin ETFは、従来の投資家と暗号資産の世界をつなぐ橋渡し役として登場しました。普及することで暗号資産業界にとってはプラスであり、一般投資家を巻きこ込み、裾野を広げることになります。
今回はBitcoin ETFについて書きました。
参考:
🔸DMM Bitcoin Bitcoin ETFとは? https://bitcoin.dmm.com/column/0141
🔸日興アセットマネジメント ETFとは? https://www.nikkoam.com/products/etf/about
🔸SBIネオトレード証券 ETFとは? https://www.sbineotrade.jp/fund/beginner-etf/what-is-etf.html
🔸CFI Bitcoin ETF https://corporatefinanceinstitute.com/resources/cryptocurrency/bitcoin-etfs/
🔸The block What is a bitcoin ETF?